【シート機能】は革命といっても過言ではないともいえる機能です。EXCELのシートとは名前は一緒でも全く異なるものです。
これの登場によりレイヤーという考えが希薄になってしまうほど、シート機能が手軽で便利な機能なのです。
シート機能の詳細説明は下記リンクにあります。
目次
シート機能のメリット
①シートを各々の状態(カレント・編集・表示・非表示と色や強調表現)に設定できます。
これにより建築図関係はめったに編集する必要はないから表示に、機械設備は編集へ、設計図は非表示にして時々確認できるようになどの使い方が好まれていると思います。
レイヤーで制御するよりも要素ごとに設定できるのでとても重宝できる機能です。
②シート間の移動・複写ができ、シート基準高さを設定することにより建物1つを1枚の図面で作図することもできます。(建物規模によりますが高スペックパソコンが必要)
③各シートを好みの状態(カレント・編集・表示・非表示と色や強調表現)にカスタマイズすることができるため、ダクト図・ダクト配管図・配管図・天伏図・各種スリーブ図などの図面表現を一枚の図面で管理することが可能です。
従来ではダクト図や配管図を書きながら天伏図を開いてコピーして照合というのが一般的ですが、そのような煩雑な作業を省略できます。
④分類というもので複数のシートをまとめることができて、コンパクトに表示することができます。
⑤レイアウト印刷機能を使うことにより複数の図面を一括して印刷することが可能になり、出図作業の軽減が見込まれます。
シート機能のデメリット
①メリットによりファイル数の減少・データ統合による全体でのデータ容量の減少が見込まれる反面、1枚の図面のデータ容量が多くなり、低スペックのパソコンでは開くこともままならないなんてこともあります。
②整理整頓が苦手な人はたくさんのシートを作り過去データ(古い建築図など)も1枚の図面内に入っているなんて場合もあります。
デメリットはありますが、恩恵は想像以上のものがあります。
そんなシート機能の種類はバージョンアップするたびに増えている感じがあり非常に多いです。
シート機能には
【新規作成】、【設定】、【移動複写】、【高さ指定抽出】、【図面登録】、【レイアウト作成】、【レイアウト編集】、【ビューポート】、【シート基準高さ】などがあります。
順番に説明していきます。
コマンドのある位置は
メニュバーでは設定→シート機能のなかにあります。
ツールバーカスタマイズでは分類が設定でボタン内の上から4段目にあります。
ショートカットキーor右クリックメニューでは分類が設定でコマンドが1度スクロールするあたりから出てきます。
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説明動画はこちら(11分半)
【シート機能】-【新規作成】★★★★★
参考リンク、シートの一般的な使い方
EXCELのシート作成と同じような機能ですが、名称・分類・縮尺・状態・単色指定・弱表示・タブ色を指定する必要があります。
名称は表示される文字になりますので分かりやすくなおかつ簡潔にする必要があります。カタカナは半角にしたり短縮頭文字(空調ならAC(Air Conditioning))などにするほうがよいです。
分類は複数のシートを分野ごとにまとめて折り畳んで画面下部に収納することができ、スッキリ表示させることができます。
縮尺は部分拡大図以外の時は図面縮尺(ファイルの一般縮尺)と同じにしたほうがよいでしょう。
状態は編集・表示・非表示のどの状態にするか設定できます。
単色指定はそのシート全体の色をデフォルトにするか1色にするか決めることができます。図面内の物量が多くなり見えづらくなるとカレントシート以外は単色指定にすると作図者としては見やすいです。
逆にほかの人が見たときは見えづらくなる傾向になります。
弱表示はレベル1・2がありレベル1で線幅なしの状態に、レベル2で点線表示になります。
一部線種はその通りにならないためプレビューチェックが必要です。使い方として衛生の見下げ図で下のフロアの建築図を点線にするときに元の線種情報を変えることなく点線表示にできます。
タブ色はシート下部に色を付ける機能です。
【シート機能】-【設定】<超重要>★★★★★
参考リンク シートの一般的な使い方、シートパターンの設定方法、レイアウト作成方法
Tfas7くらいまではこの機能なしにはシート管理できない状態でしたが8→9とバージョンアップするたびに存在感が減りつつありますが、まだまだとても重要なコマンドです。
特徴
①シートの状態を一覧できます。(カレント・編集・表示・非表示と色や強調表現)
②シートパターン登録や読み込みもできます。シートパターン登録や読み込みは他の方法がやりやすくなったため割愛します。
③シートの状態を一覧することにより分類やそのシートに図形の存在の有無を確認できシートが多くなってきたとき整理するのに適しています。
④シートの追加・複写・削除・名称変更ができます。
⑤分類の管理ができます。
このコマンドは結構使う機会が多いのでショートカットキーor右クリックメニューorボタン表示しておくといいです。私はショートカットキーにしています。
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【シート機能】-【移動複写】★★★★☆
この機能は便利なのですが、使い方に気を付ける必要があります。
よく使う場面として文字傍記や引出線や寸法などを作図していた時に予定していたシートではなく、他のシートで入力したときに移動のコマンドを使います。
複写はなるべく使わないほうがよいです。
理由は複写を1回使い少し経った後に移動したいと思いコマンドを進めると複写のままになってしまっていて気付かずにコマンドを進めてしまうと2重コピー状態になります。
滅多にありませんがそういう状態になってしまっているのを見たことがあります。結果的に倍の物量の拾い書ができたことがありました。正直焦りました。
ダイテック社への要望ですが、移動と複写を全く別のコマンドにしていただけないものでしょうか。
コマンドとしては
①【図形を選択してください(Enter:シート選択)】
シート全体を選択したいときはEnter。それ以外の場合は対象図形を選択
②【シート機能】-【設定】の画面が出てきます。左上のモードで移動か複写を選ぶことができます。何も選択しない場合は前回の状態を引き継ぐので注意が必要です。デフォルトは移動です。
移動OR複写先のシートを選択もしくは右上の新規作成から新しいシートを作成し選択することも可能です。
③【基準点を入力します(Enter:選択図形領域中心)】
基本的に同じ位置に移動する場合が多いでしょうからEnterの場合が多いと思います。
移動or複写位置が決まっている場合は基準点を選択する必要がありますが、同じ位置に移動してから移動or複写しても大きな差はないでしょう。
④【指定点を入力してください。(Enter:同じ位置)】
上と繰り返しになりますが、移動or複写位置が決まっている場合は指定点を選択し同じ位置でOKであればEnterを押下します。
私はほとんどの場合同じ位置なので③、④はEnterの連打です。
【シート機能】-【高さ指定抽出】☆☆☆☆☆
この機能の使用頻度は少ないと考えられます。
BIMしていてある階の情報を抽出したいときに使えると思います。操作方法は割愛します。
【シート機能】-【図面登録】★☆☆☆☆
この機能は図面内から特定のシートを抽出しほかの図面に登録することができる機能です。
あまり利用頻度は高くないと思います。操作方法は割愛します。
【シート機能】-【レイアウト作成】★★★★★
【シート機能】-【レイアウト編集】★★★☆☆
【シート機能】-【ビューポート】、★★☆☆☆
これらの機能はとても重要です。建物規模の大小に関わらず1枚のデータで1フロアを作図することが多くなり、その場合に絶対に必要な機能になります。1枚の図面で作図するメリットとして図面端で取り合い調整の必要がなくなりそういう部分でのミス削減・時短につながります。一方パソコンに大きな負荷がかかる場合があるのでパソコンのスペックは要確認です。
レイアウト空間の作成方法はこちら
【シート機能】-【シート基準高さ】★★☆☆☆
シートごとに基準高さを設定することができます。
現状でBIMをしている例はまだ少なく、図面がフロア単位になっていることが多いです。
したがって、現状では操作方法を割愛します。今後数年以内のBIM需要により記事にするかもしれません。
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