Tfasの技術計算支援機能の1つである静圧計算機能について当方による計算結果を踏まえながら妥当性を検証していきます。
ちなみに当方の計算結果はEXCELを用いているのでI-PACとは異なります。
内容的に少し長くなりそうな感じがするので複数回に分けることにします。
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目次
まとめ
その1とその2の結果から区間静圧は以下のようになりました。
・Tfas・・・101Pa
・当方簡易版・・・190Pa
・当方詳細版・・・150Pa
当方の簡易版・詳細版よりTfasの方が少ない結果になりました。
今回の詳細版は結構煮詰めていますので、Tfasの静圧が少なくなってしまうため理由がありそうです。
したがって、何らかの改善が必要であると考えられます。
①今回使用している長方形直角分岐(直通側)の風速比はおよそ0.5~0.7です。
その場合はζ=0.06~0.1が妥当と考えられますが、0.01~0.05が入っています。
さらに主ダクトの風速が遅くなるとζが大きくなる逆転現象が起きています。
②今回使用しているSカーブではζ=0.13~0.4が入っています。
意図的に90°エルボ返しに近いイメージの形状にしたところでも0.4しか入っていません。
Sカーブに関する文献はないと思われますが、0.3以上は必要ではないでしょうか。
当方では0.4が最小値として選ばれます。
推測ですが、連続ベンドに対する割増係数が加味されていない印象を感じます。
③今回使用している消音ボックスではζ=0.681が入っています。
また、その0.681の中で消音ボックス出口側の抵抗係数にかかる部分について消音ボックスの風速になっていますが、それだと風速が遅くなり抵抗が少なくなります。
消音ボックスの場合は茶本にも計算方法が記載されているのでそれを参照していただきたいと感じました。
(当方ではζ=1.2。少し多いですが、空調機出口付近で整流されていないことなどを考慮すると想像以上の抵抗になるのではないかと考えています)
④今回使用している吹き出し口では消音ボックスと合わせ3.0Paが入っていますが少ないです。
1つめとして上の消音ボックスと同じ理由により少なくなっています。
2つめとして吹き出し口は制気口本体の静圧と空気を送り出すための余剰静圧を加味しないといけません。
これらから一般的に20~40Pa見込まないと足りないと考えられます。
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Tfasの静圧計算機能を利用した所感
まずはこの機能を作成していただいたDAITEC社に感謝したいと思いました。
慣れるまでは時間がかかりますが、在来の方法と比べたら劇的に時間短縮できます。
しかしながらまだ改善点はあると考えられます。
- 抵抗係数の考え方の見直しをお願いしたいです。
局部抵抗の見込みが少なく、これを鵜呑みにした場合風量不足が起こる可能性が高いと考えられます。
利用規約の免責事項に該当していればよいのですが、損害賠償が起こりうる危険すら感じました。 - 静圧計算結果について道中の分岐が表示される必要はありません。
もし計算結果を算出するのに必要なのであれば枠外で算出するか、あらかじめグループ化させるなどにより表示させないようにしてほしいなと思います。
これらの理由により静圧計算をしたことがない人がすべき作業ではなく、計算結果をもとに作業者が責任をもって抵抗係数を変えるプロセスが必要になります。
今後
今後もう少し時間が取れれば、排煙はできるのだろうかとかほかの部材の抵抗係数はどうなのだろうかなどの疑問を感じているので、それらの検証ができればと思っています。
特に排煙に関しては対象区間以外の風量は0になりますが、Tfasは合計風量を求めるようになっているから排煙ダクトの抵抗計算には不向きな印象もあります。
多分アレンジすれば解消できるとは思いますが。
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